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棒を使った肩関節外旋運動:痛みがあってもできるリハビリ
肩の痛みは日常生活に大きな影響を与えます。特に、肩関節の動きが悪くなると、着替えや物を持ち上げる動作など、些細なことでもつらく感じることがあります。しかし、痛みが強いからといって運動を全くしないと、かえって肩の動きがさらに悪化してしまうことも少なくありません。
そこで今回は、肩関節の痛みが強い方でも安心して始められる「棒を使った肩関節外旋運動」をご紹介します。この運動は、無理なく肩の可動域を広げ、痛みの軽減に繋がる効果が期待できます。
運動のメリットとベネフィット
この運動には、以下のようなメリットとベネフィットがあります。
- 痛みの少ない範囲で安全に運動できる: 棒を使うことで、自分の力で無理に動かすことなく、棒の補助によって安全に肩を動かすことができます。これにより、痛みを悪化させるリスクを抑えながら運動を続けられます。
- 肩関節の可動域改善: 棒の重さや長さ、そして動かす範囲を調整することで、徐々に肩関節の外旋(外側にひねる動き)の可動域を広げることができます。
- 筋力低下の予防: 痛みのために肩を動かさないでいると、周囲の筋肉が弱ってしまいます。この運動は、痛みのある範囲で少しずつ動かすことで、筋力低下の予防にも繋がります。
- 血行促進と組織の回復: 適切な運動は肩周囲の血行を促進し、炎症や損傷した組織の回復を助ける効果も期待できます。
- 日常生活動作の改善: 肩の動きがスムーズになることで、着替え、髪をとかす、物を取るなどの日常生活動作が楽になります。
運動方法
- 準備:
- 床に仰向けに寝ます。
- 肘の下にタオルなどを置き、肩と肘の高さが同じになるように調整します。肘の角度は90度を保ちます。
- 両手で棒(軽い棒や傘などでOK)を持ちます。
- 運動:
- 棒を持ったまま、ゆっくりと痛みのない範囲で前腕(肘から手首までの部分)を外側に開いていきます。
- ゆっくりと元の位置に戻し、さらに内側に閉じていきます。
- この動作を繰り返します。
- ポイント:
- 痛みを感じたらすぐに中止する: 決して無理はせず、痛みを感じない範囲で行うことが最も重要です。
- ゆっくりと行う: 急な動きは痛みを誘発する可能性があります。常にゆっくりとコントロールされた動きを心がけましょう。
- 呼吸を止めない: 運動中は自然な呼吸を続けましょう。
- 回数とセット数: 10回から15回を1セットとして、1日に2~3セットを目安に行いましょう。慣れてきたら、少しずつ回数やセット数を増やしても構いません。
この運動の効果に関する研究結果(参考)
肩関節の痛みに対する運動療法は、多くの研究でその有効性が示されています。特に、痛みが強い時期には、自動運動(自分の力で動かす運動)よりも、他動運動(他者の補助や道具を使って動かす運動)や自動介助運動(自分の反対側の手や棒などを使って補助しながら動かす運動)が推奨されることが多いです。
- 痛みの軽減と機能改善: 棒を使った運動のような自動介助運動は、肩関節の可動域を安全に広げ、痛みを軽減し、肩の機能改善に繋がることが報告されています。特に、急性期の痛みが強い時期には、無理のない範囲での運動が炎症の軽減と組織の修復を促すと考えられています。
- 長期的な効果: 定期的に継続することで、肩関節周囲の組織の柔軟性が向上し、痛みの再発予防や、より高度な運動への移行に役立つことが示唆されています。
注意事項
- この運動は、あくまで一般的な情報提供であり、個々の症状や状態に合わせたものではありません。
- 運動中に強い痛みを感じる場合や、症状が悪化する場合は、すぐに運動を中止し、必ず専門の医療機関を受診してください。
- 運動を始める前に、かかりつけの医師や理学療法士に相談することをお勧めします。
この運動を通して、少しでも肩の痛みが和らぎ、快適な日常生活を送れるようになることを願っています。
肩の痛み、あきらめないで
痛みが強い方でも安全に始められる「棒を使った肩関節外旋運動」で、快適な毎日を取り戻しましょう。
この運動がもたらす5つのメリット
安全性の確保
棒が動きを補助するため、痛みを悪化させるリスクを抑え、安全に肩を動かせます。
可動域の改善
無理なく肩を外側にひねる動きを促し、少しずつ動かせる範囲を広げます。
筋力低下の予防
痛くても動かせる範囲で運動することで、肩周りの筋肉が弱るのを防ぎます。
血行促進と回復
適度な運動が血の巡りを良くし、傷ついた組織の回復をサポートします。
日常生活の改善
肩がスムーズに動くようになり、着替えや物を取るなどの日常動作が楽になります。
運動のやり方を見てみよう
1. 準備
仰向けに寝て、肘を90度に曲げます。肘の下にタオルを敷き、肩と高さを揃えましょう。両手で軽く棒を持ちます。
2. 運動
棒を支えに、痛みのない範囲でゆっくりと腕を外側へ開きます。その後、ゆっくりと内側へ戻します。この動きを繰り返します。
3. ポイント
「ゆっくり」「痛くない範囲で」「呼吸は止めずに」。1日10〜15回を2〜3セットが目安です。
データで見る運動の効果
補助付き運動による痛みの軽減効果
研究によると、補助付き運動を行った多くの患者さんで、痛みの軽減が報告されています。無理のない動きが回復を促します。
継続による可動域の変化
運動を継続することで、肩の可動域は着実に改善していく傾向にあります。焦らず続けることが大切です。
安全に続けるための重要事項
✔️ 必ず守ること
- ●ゆっくり、コントロールされた動きを心がける。
- ●常に痛みのない範囲で行う。
- ●運動中は自然な呼吸を続ける。
❌ やってはいけないこと
- ●痛みを我慢して無理に動かす。
- ●反動をつけて急に動かす。
- ●自己判断で過度な負荷をかける。
※ この情報は一般的なものであり、医学的アドバイスに代わるものではありません。運動を始める前や痛みが続く場合は、必ず医師や理学療法士にご相談ください。
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