運動初心者でもできる。膝の痛みを予防する簡単な5つの運動

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皆さん、こんにちは!理学療法士と【おうち運動】を進めている 喜界やくしです。

突然ですが、立ち上がる時や階段を上る時に、
膝が痛んだり、stiff (こわばった) に感じたりすることはありませんか? 
「年だから仕方ない」と諦めて、痛みに耐えながら生活している方も少なくないかもしれませんね。
しかし、実は多くの人が気づいていないことがあります!

それは、適切な運動を行うことで、年齢に関わらず、
膝の筋力を再構築し、痛みにさよならを言えるということです。

この記事では、私の多くの患者さんに実践して、痛みが減ったと実感した、膝を強く、そして痛みなく保つための5つの必須エクササイズをご紹介します。

⚠️※実際には個人個人の運動がありますので、かかりつけの医師や理学療法士の相談の上運動を行うことを、お勧めいたします。⚠️

目次

なぜ膝は痛むのか?〜変形性膝関節症の真実〜

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これを機に膝痛の考え方を変えてみませんか?

膝の痛みの主な原因の一つに💪「変形性膝関節症」があります。
長年にわたり、医師たちはこの状態を単なる「使い古し」と見なしてきました。
まるで、古い車のタイヤが摩耗していくようなものだと考えられていたのです。

しかし、ここに朗報があります! 最新の研究によって、変形性膝関節症が単に年齢だけの問題ではないことが明らかになっています。実際には、痛みを軽減し、関節の健康を改善するために、私たちがコントロールできる多くの要因があるのです。

そして、その最も強力なツールの一つが、
まさに

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なんです。

あなたの膝を「古い車のタイヤ」ではなく、「植物」のように考えてみましょう。

適切な手入れと栄養があれば、植物はより強く、健康に育ちますよね。
運動こそが、この「鍵となる栄養」なのです。
運動は、あなたの膝に3つの重要な働きをします。

運動の重要な役割3つ!

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✅関節周囲の筋肉を強化する:

これは、植物に頑丈な支柱を立てるようなものです。膝の周りの筋肉が強くなることで、関節が安定し、負担が軽減されます。特に、太ももの筋肉がしっかり働くことで、膝にかかる衝撃を吸収し、関節へのストレスを減らすことができます。

✅関節の柔軟性と可動域を改善する:

植物の周りの土を柔らかく保つように、膝関節の動きをスムーズにします。これにより、関節の引っかかりや動かしにくさが改善され、日常生活での動作が楽になります。固まった関節はさらに痛みを生み出す悪循環に陥りやすいため、柔軟性を保つことは非常に重要です。

✅血流を増加させる:

植物に栄養、水、肥料を届けるように、関節に必要な栄養素を供給します。血流が良くなることで、関節の修復が促され、健康が保たれます。関節軟骨には血管が通っていないため、運動による関節液の循環が栄養供給に不可欠なのです。

このように、運動がなぜ膝の健康にとって不可欠なのかをご理解いただけたでしょうか。それでは、具体的な5つの必須エクササイズを見ていきましょう。

「痛いのに運動しても大丈夫?」

「すでに膝が痛いのに、運動して本当に安全なの?」と心配に思う方もいらっしゃるかもしれません。
この疑問に対する短い答えは、

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2024年の変形性膝関節症に関する臨床ガイドラインでも、運動中に多少の不快感があるのは正常であり、特に運動を始めたばかりの時にはよく起こりうると確認されています。

これは、関節に「ダメージを与えている」のではなく、
筋肉が強くなり、体が順応しているプロセスの一部」なのです。
少しの筋肉痛や違和感は、体が変化しているサインだと捉えてください。

驚くべきことに、重度の変形性膝関節症や、「骨と骨がぶつかっている」と言われた場合でも、運動は非常に有益であることが示されています。


なぜなら、痛みは必ずしも関節の損傷の度合いと一致しないからです。むしろ、筋肉の弱さや関節の硬さが痛みを引き起こしている場合が多く、運動によってそれらを改善できるのです。

あなたの膝関節を「蜂蜜」に例えてみましょう。蜂蜜をかき混ぜずに長時間放置すると、固まってしまって、スプーンで取り出すのも一苦労ですよね。しかし、温めてかき混ぜると、また柔らかく滑らかな状態に戻ります。

運動は、あなたの関節に対しても全く同じ働きをします。関節液の循環を促し、関節をfluid(液体)で柔軟な状態に保ち、あの「ギーギー」という摩擦音や、aching(ズキズキとした)痛みを軽減してくれるのです。

私が患者さんにいつもお伝えする2つのシンプルなこと

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「動くことは潤滑油」 (Motion is Lotion)
「休むことは錆び」 (Rest is Rust)

一般的に、ご自身の痛みの許容範囲内で動けば動くほど、あなたの関節はより良い状態になるでしょう。

⚠️ただし、運動中に鋭い痛みや、運動後も痛みが長時間続く場合は、無理をせず専門家にご相談ください。⚠️

痛みなく動けるようになるための5つの必須エクササイズ

それでは、具体的なエクササイズを一つずつ見ていきましょう。

エクササイズ1:太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を強化する

目的: 大腿四頭筋は膝の前面で最も大きな筋肉であり、立ち上がったり階段を上ったりする動作の要となる筋肉です。この筋肉を強化することは、膝の安定性と機能改善に直結します。膝の皿(膝蓋骨)を安定させる役割も担っており、この筋肉が弱いと膝の不安定感や痛みに繋がりやすくなります。

研究結果: 2021年の研究では、大腿四頭筋を強化することが、わずか6週間で膝の痛みと可動性を有意に改善することが示されています。これは、私たちが思っている以上に早く効果を実感できる可能性があることを意味します。継続することで、さらに大きな効果が期待できます。

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6週間をわずかと

優しいバージョン:クワッド・オーバー・ロール(Quads Over Roll)

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準備:
ベッドや床などの平らな場所に座り、脚をまっすぐに伸ばします。快適な姿勢で、体がしっかり支えられていることを確認してください。

片方の膝の少し下に、丸めたタオルを置きます。脚はまだまっすぐな状態ですが、タオルが膝の下に少し浮きを与えます。


やり方:
ここから、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)を意識して、タオルを真下に強く押し付けます。まるでタオルを平らにしようとするかのように力を入れてください。
押し付けると、足がベッドから少し浮き上がることがありますが、これは問題ありません。
最も重要な点: タオルを押し付けたら、その筋肉の収縮を10秒間しっかりと保持します。太ももの筋肉がギュッと引き締まっているのを意識して感じてください。
10秒後、ゆっくりと力を抜き、


よくある間違いとコツ: 
多くの人が、勢いよく強く押し付け、すぐに力を抜いてしまいがちです。しかし、これはあまり効果的ではありません。各回をゆっくりと行い、徐々に圧力をかけて筋肉をしっかり収縮させ、その後10秒間保持し、再びゆっくりとリラックスさせることが重要です。この「ゆっくりとした動作」が、筋肉を効果的に刺激し、膝への負担を最小限に抑える鍵です。

痛みが中程度から重度の場合のヒント: もし膝の痛みが中程度から重度である場合は、少し大きくて柔らかいタオルを使用することをお勧めします。これにより、同じ大腿四頭筋をより優しくターゲットにでき、手術からの回復期や、可動域が大きく制限されている場合でも、無理なく取り組むことができます。

より難しいストレートレッグレイズ(Straight Leg Raise)

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やり方: 
クワッド・オーバー・ロールと同様の姿勢から、タオルを使わずに、脚をまっすぐに保ったまま、ベッドから脚全体を完全に持ち上げます。この時、膝が曲がらないように意識し、太ももの力だけで持ち上げることが重要です。これを10回繰り返します。これも大腿四頭筋を効果的に鍛えることができます。

エクササイズ2:膝の安定性を高める(ハムストリングス)

目的: 
ハムストリングスは膝の裏側にある筋肉群で、膝を曲げる動作に不可欠なだけでなく、歩行やかがむ動作を痛みなく行うのに役立ちます。また、膝関節の重要な安定筋の一つでもあります。特に、大腿四頭筋とのバランスが重要で、両方の筋肉が適切に働くことで膝のぐらつきを減らし、安定した動きをサポートします。

基本のエクササイズ:グルートブリッジ(Glute Bridge)

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準備:
仰向けに寝て、膝を曲げ、足を床またはベッドに平らに置きます。膝は腰幅に開きます。足首の真上に膝が来るように調整しましょう。
腕は体の横に置き、手のひらは下向きにして、体を安定させます。
やり方:
息を吸いながら、お腹をへこませるようにして、お腹の奥にある体幹の筋肉をしっかりと締めます。これにより、腰への負担を減らし、お尻の筋肉を効果的に使えます。
かかとで床を押し込むように力を入れ、お尻をキュッと締めながら、腰を床からゆっくりと持ち上げます。

体が一直線になる必要はありません。ご自身が行けるところまで持ち上げて構いません。お尻の筋肉がしっかり収縮していることを感じることが大切です。

ポイント: 最も高く持ち上げた位置で、一瞬保持します。この時、お尻、ハムストリングス、そして体幹の筋肉がしっかり引き締まっていることを確認してください。
息を吐きながら、コントロールを保ちながらゆっくりと腰を床に戻します。ストンと落とすのではなく、ゆっくりと下ろすことで筋肉への刺激が持続します。
回数: 2セット、各10回行います。

より優しいバージョン:ニーカール(Knee Curl)

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やり方: 
椅子やカウンターなどの安定したものにつかまりながら立ちます。片方の膝を後ろに曲げ、かかとをお尻に近づけるようにします。この時、太ももの裏側(ハムストリングス)が収縮しているのを意識してください。ゆっくりと元の位置に戻し、これを10回、3セット繰り返します。これは、ハムストリングスをより優しく、無理なく鍛えることができる方法です。

より難しいバージョン:シングルレッグ・グルートブリッジ(Single Leg Glute Bridge)

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グルートブリッジの姿勢から、片足を床から持ち上げて、残りの片足でブリッジを行います。これにより、エクササイズの強度が増し、お尻の横の安定筋もさらに活性化されます。バランスも必要になるため、より高いレベルの安定性が求められます。

エクササイズ3:膝関節そのものを強くする(スタティック・スクワット)

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目的
このエクササイズは、関節炎による膝関節の炎症を軽減するための画期的な研究からヒントを得て考案されました。シンプルながらも非常に効果的で、痛みの緩和、可動域の改善、そして膝関節そのものの強化に役立ちます。膝関節に直接的な負荷をかけつつ、筋肉を等尺性(動かさずに力を入れる)に使うことで、安全に強化できます。
準備:
壁に背中を預けて立ち、足は肩幅に開きます。
そこから壁から約60cm前方に一歩踏み出します。
肩、背中、首、そして腰が壁にしっかりと支えられていることを確認してください。
やり方:
ゆっくりと壁に沿って滑り降ります。必要であれば、近くに椅子を置いて体を支えにしても構いません。

研究では、膝を約90度まで曲げることを推奨していますが、ご自身が快適に感じる深さまで滑り降りてください。決して無理はしないでください。痛みを感じる手前で止めるのがポイントです。


最も重要な点: 最下点に到達したら、その姿勢を10秒間しっかりと保持します。太ももの前側に力が入っているのを感じてください。
その後、ゆっくりと壁に沿って滑り上がって元の立ち姿勢に戻ります。
回数: まずは5回から始めることをお勧めします。慣れてきたら徐々に回数を増やしていきましょう。


難易度調整のポイント: このエクササイズの素晴らしい点は、どれだけ深く降りるかを自分で決められるため、ほとんどの人が行うことができる点です。

膝の痛みがひどい場合や、運動を始めたばかりの場合: まずは「部分的なウォールシット(Partial Wall Sit)」から始めましょう。壁に沿って25%程度までしか降りなくても構いません。膝が少しだけ曲がる程度で十分です。徐々に慣れてきたら、少しずつ深く降りるようにしてみてください。

よりチャレンジしたい場合: もっと深く降りたり、最下点での保持時間を長くたえよう。



頻度: 筋力トレーニング初心者の方には、週に2〜3回程度から始めることをお勧めします。これにより、筋肉が回復し、次の運動に備える時間を十分に確保できます。毎日行う必要はありません。

エクササイズ4:柔軟性と関節の潤滑(屈曲と伸展)

目的: 
このエクササイズは、膝の健康でしばしば見落とされがちな「柔軟性」と「関節の潤滑」に焦点を当てた、非常にシンプルながらも効果的な運動です。膝の動きをスムーズにし、こわばりを軽減します。

メカニズム: 
私たちの膝の中には「滑液(かつえき)」という液体があり、関節をスムーズに動かす潤滑油のような役割をしています。特に一晩中じっとしていた朝など、長時間動かないでいると、この滑液が濃くなり、膝のstiffness(こわばり)やcreaky(ギシギシとした)な音の原因となります。これは、まるで油が固まってしまうような状態です。しかし、体を動かし始めると、体はより多くの滑液を生成します。これにより、関節が潤滑され、痛みやstiffnessが軽減されるのです。

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準備
ベッドに仰向けに寝て、両膝を曲げます。

やり方:
片方の膝の裏側を両手で持ちます。もし膝に手が届きにくい場合は、タオルを膝裏に回して両端を掴んでも構いません。
そこから、ゆっくりと膝を最大限に曲げたり(屈曲)、そしてゆっくりと膝をまっすぐに伸ばしたり(伸展)します。膝が伸び切るところまで、そして曲げられるところまで、無理のない範囲で動かしましょう。
回数: 各膝10〜15回繰り返します。


ポイント: このエクササイズでは、特定の姿勢で長く保持する必要はありません。ただ、関節の動きに合わせて、ゆっくりと前後に動かすことに集中してください。痛みを感じる手前で止めることが大切です。

よりチャレンジしたい場合: スネやふくらはぎの下の方を掴み、かかとをお尻にできるだけ近づけるように深く曲げてから、膝を完全に伸ばす動きを繰り返します。より大きく、ゆっくりと動かすことで、関節液の循環をさらに促します。

推奨: 

膝の痛みがあるすべての患者さんに、朝起きてすぐと、可能であれば寝る前にも、このエクササイズを行うことを強くお勧めします。一日の中で関節が固まりやすい時間帯に動かすことで、大きな効果が期待できます。朝の「こわばり」が軽減されるのを実感できるでしょう。

エクササイズ5:有酸素運動で心臓も膝も元気に!

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有酸素運動は効果的です。

目的: 
筋力トレーニングや柔軟性運動に加え、研究は有酸素運動が膝の痛みと機能の改善に非常に効果的であることを強く支持しています。全身の血流改善、体重管理、そして精神的な健康にも寄与し、膝への総合的なアプローチとして不可欠です。体重が減ることで、膝への負担も大幅に軽減されます。

有酸素運動とは?
心拍数を一定時間上げる活動全般を指します。例えば、サイクリング、水泳、早歩きなどがその代表例です。これらの運動は、関節に過度な負担をかけずに、心肺機能を高めることができます。
最も重要なのは、心臓が適度にドキドキするような、あなたが心から楽しめる活動を選ぶことです。長く続けられる運動を見つけることが成功の鍵となります。
運動強度の目安(心拍計やスマートウォッチをお持ちの場合):

最大心拍数の推定: ご自身の最大心拍数の目安は、「220からあなたの年齢を引いた数値」で計算できます。
例:もしあなたが60歳なら、最大心拍数は160拍/分(220 – 60)と推定されます。
目標とする心拍数: 有酸素運動の研究では、この推定最大心拍数の**50〜60%**を目指すことが推奨されています。
例:60歳の場合、目標とする心拍数は80〜96拍/分(160の50〜60%)となります。
心拍計がない場合は、「少し息が上がるけれど、隣の人と会話ができる程度の強度」を目安にしてください。

目標時間と頻度:
目標は、週に合計150分の有酸素運動を行うことです。
これを、週5回30分ずつに分けたり、週3回50分ずつにしたり、あるいはご自身のライフスタイルや体力に合わせて、より短いセッションに細かく分けたりと、自由に調整してください。
何よりも強調したいのは、小さく、着実に始めることです。まずは1日10分からでも構いません。無理なく始め、少しずつ時間や強度を増やしていくことが、長期的な継続につながります。

有酸素運動セクション

有酸素運動

心肺機能を高め、全身の健康を促進します。ウォーキング、サイクリング、水泳など、楽しめるものを選びましょう。

目標心拍数 (50-60%)

目標: 80-96拍/分

週の目標: 150分

運動時間を記録する

有酸素運動のアイデア:

固定自転車またはリカンベント自転車(膝への負担が少ない)
エリプティカル(クロストレーナー)(全身運動で膝への衝撃が少ない)
ウォーキング(brisk walking: 早歩き)(最も手軽で続けやすい)
水泳または水中運動(アクアセラピー)(浮力で膝への負担を軽減)
階段昇降(手すりを使って安全に)
エアロビクス教室
テニス、ピックルボール、スカッシュなどのスポーツ(痛みが少ない場合)
ダンス

✅重要なヒント: 臨床ガイドラインでは、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、膝の痛みと機能のさらなる大きな改善が期待できると推奨されています。このブログで紹介した筋力トレーニングと、今回解説した有酸素運動をぜひ組み合わせてみてください。相乗効果で、より早く、より大きな改善を実感できるはずです。

まとめ:あなたの膝はきっと応えてくれる!

膝の痛みは、多くの人が経験する一般的な悩みですが、決して諦める必要はありません。今日ご紹介した5つのエクササイズは、あなたの膝を強くし、痛みを和らげ、再び活動的な生活を送るための強力な手助けとなるでしょう。
焦らず、ご自身のペースで、毎日少しずつでも良いので続けてみてください。「動くことは潤滑油、休むことは錆び」という言葉を心に留め、積極的に膝を動かすことを意識してくださいね。
膝の健康への投資は、あなたの未来の活動的な生活への投資です。まるで、小さな種を蒔いて、やがて豊かな実りをもたらす大きな木を育てるように、今日あなたが始める小さな一歩が、明日の痛みのない大きな喜びにつながるでしょう。
皆さんの健康な膝と、活動的な毎日を心から応援しています!

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喜界やくし

膝の痛みを解決

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