30代から50代の働き盛りの皆様、日々の仕事や家事、育児に追われる中で、腰の痛みを感じることはありませんか?
「もう腰痛は治らないもの」と諦めていたり、
「一時的なものだろう」と放置してしまったりしていませんか。
実は、その腰痛には、日々の生活習慣が深く関わっており、特定の筋肉が悲鳴を上げている可能性があります。
本記事では、腰痛の「真犯人」となることが多い「腸肋筋(ちょうろくきん)」と「腰方形筋(ようほうけいきん)」という2つの重要な筋肉に焦点を当てます。
これらの筋肉がなぜ痛みを発するのか、そして、皆様が日々行っている動作がどのように影響しているのかを、理学療法士の視点から最新の研究に基づき解説します。
さらに、科学的根拠に基づいた、ご自宅で簡単に実践できる効果的なエクササイズを3つご紹介します。
腰痛は、適切な知識とケアで改善が期待できます。毎日頑張る皆様が、腰の痛みに悩まされることなく、快適な毎日を送れるよう、この記事がその一助となれば幸いです。
1. 腰痛の「真犯人」を知る:腸肋筋と腰方形筋の正体
腰痛の原因は多岐にわたりますが、特に働き盛りの世代で注目すべきなのが、背中の深部に位置する「腸肋筋」と「腰方形筋」です。これらの筋肉は、私たちの姿勢を支え、日常のあらゆる動作に深く関わっています。
1.1 腸肋筋:背骨を支え、姿勢を保つ重要な筋肉
腸肋筋は、体幹の後面を骨盤から頚椎まで縦走する大きな筋肉群である脊柱起立筋の一部です 1。具体的には、背骨の側面や肋骨に沿って位置しています 2。
この筋肉は、体幹と頚部を伸展させる(後ろに反らす)作用や、片側が働くことで体幹と頚部を同側へ側屈させる(横に倒す)作用を持っています 1。
特に、首や背中の後屈運動に貢献し、脊柱の安定性を保ち、脊髄や神経の保護にも重要な役割を果たしています 3。
腸肋筋が正常に機能することで、頭部の後屈や背中の反らし運動がスムーズに行え、全体的な姿勢保持や動作の効率が向上します 3。
特に、後ろに反らす動作で痛みが強く出る場合、腸肋筋を含む脊柱起立筋が緊張・短縮していることが原因となることが多いとされています 4。長時間の不適切な姿勢、急激な動作、筋力不足、過度なストレッチ、ストレス、慢性的な過労などが、腸肋筋に負担をかけ、痛みの原因となることが報告されています 2。
1.2 腰方形筋:体幹の安定化と側屈を担う深層筋
腰方形筋は、腰の深部に位置する筋肉で、しばしば腰痛の原因となることで知られています 5。背骨の前側にある大腰筋とともに腰椎の両側を垂直に走行し、腰椎全体の垂直安定性をもたらすスタビライザー(安定化装置)のような役割を担っています 5。
腰方形筋の主な機能は、体幹の側屈です 6。両側が同時に収縮すると腰椎を伸展させ、腰や背中を反らせる動きに関与します 6。また、呼吸の補助筋としても機能し、特に強制呼気時に胸郭を下制させたり、横隔膜の付着部を安定させたりする作用があります 6。
この筋肉に問題が生じると、様々な腰痛を引き起こす可能性があります。左右どちらかの腰方形筋が硬くなったり弱くなったりすると、骨盤の高さが左右で変わり、姿勢の崩れや腰痛の原因となります 6。特に、腰を反る動作や横に曲げる動作を繰り返すことで、腰方形筋に疲労が蓄積し、「トリガーポイント」と呼ばれる筋肉内のしこりが形成されやすくなります 7。
このトリガーポイントは、腰の深部だけでなく、太ももの外側や臀部、骨盤周囲にも関連痛として痛みを広げることがあります 11。また、腰方形筋の筋力低下や萎縮は、骨・関節・椎間板への影響をきたすことも報告されています 8。
【表1:腸肋筋と腰方形筋の基本情報】

筋肉名 | 主な機能 | 腰痛との関連性 |
腸肋筋 | 体幹・頚部の伸展、同側への側屈、姿勢保持、脊柱の安定性 | 長時間同一姿勢、反る動作、急激な動作、筋力不足、慢性疲労で緊張・短縮し、腰痛や首・肩の痛みの原因となる 2。 |
腰方形筋 | 体幹の側屈、腰椎の伸展補助、第12肋骨の固定、体幹の安定化、呼吸補助 | 深部のスタビライザー。硬化や弱化で骨盤の歪み、姿勢の崩れ、腰痛を引き起こす。反る・横に曲げる動作、片側重心で過緊張しやすく、トリガーポイント形成により関連痛も生じる 5。 |
2. 日常生活に潜む腰痛の落とし穴:あなたの習慣が腰を痛めているかも?
働き盛りの皆様の腰痛は、日々の生活習慣や動作の積み重ねによって引き起こされていることが少なくありません。無意識のうちに行っている動作が、腸肋筋や腰方形筋に過度な負担をかけ、痛みの原因となっている可能性があります。
2.1 デスクワークと長時間座り続けることの弊害

現代の働き方において、デスクワークは避けられないものですが、長時間座り続けることは腰痛の大きな原因となります。長時間同じ姿勢で座ることで、特定の筋肉が短縮したり、過度に緊張したりします 14。特に、股関節屈筋である腸腰筋、そして腰方形筋や脊柱起立筋が影響を受けやすく、これらの筋肉の不均衡が腰椎に負担をかけます 14。
座り姿勢では、骨盤が後傾しやすく、大腰筋の短縮やトリガーポイント化が進むことがあります 4。また、腰方形筋や脊柱起立筋は、骨盤の不安定性を補うために持続的に緊張し、筋疲労が蓄積します 14。これにより、筋肉への血流が不足し、酸素や栄養が届きにくくなることで、筋肉はさらに硬直して痛みが増強される「痛みの悪循環」に陥りやすくなります 9。立ち上がる際に、短縮した腸腰筋が急に伸張され、腰椎に剪断力が発生することや、血流不足で筋肉の収縮が非効率になることで、筋膜や腱の付着部に微細な炎症が生じ、鈍い痛みやこわばりが現れることがあります 14。
2.2 立ち仕事・育児・家事:繰り返される動作と姿勢の偏り
デスクワークだけでなく、立ち仕事、育児、家事といった日常動作も腰痛のリスクを高めます。
- 立ち仕事: 長時間の立ち仕事や物理的な労働は、腸肋筋に慢性的な負担をかけ、痛みを発生させることがあります 2。また、日常的に片側に重心をかけやすい人や、スポーツなどで同じ方向に動く動作を行う人は、腰方形筋が硬くなりやすい傾向があります 10。腸腰筋の弱化は、股関節の屈曲力低下を招き、体重の支え方に影響を与え、腰部や椎間板に過剰な負担を集中させることがあります 15。
- 育児: 育児では、抱っこやおむつ替え、授乳など、中腰や前かがみ、片側に重心をかける姿勢が頻繁に繰り返されます。これにより、腰方形筋を含む体幹部の筋力低下が見られることがあり、腰に負担がかかりやすくなります 16。腹部の冷えや下痢が、腰方形筋や脊柱起立筋の腸肋筋群の筋力低下や硬直を引き起こし、重だるい痛みや起立時に腰が伸ばせないといった症状につながることもあります 18。
- 家事: 重いものを持ち上げたり、腰を曲げた状態で作業を行ったりすることが多い場合、腰方形筋にトリガーポイントができる要因となります 7。また、片方ばかり振り返る、左右どちらかに身体を倒しながら作業するといった偏った動作も、腰方形筋に負担をかけます 7。これらの動作は、腰方形筋を含む腰部の筋肉に継続的な負担をかけ、筋力低下を招き、骨を支えるのが難しくなることで腰痛につながります 17。
腰部にかかる圧力はこちらになります。

2.3 姿勢の崩れと筋力低下が招く「痛みの悪循環」

上記の様々な日常生活動作や姿勢の偏りは、筋肉に疲労を蓄積させ、最終的に「痛みの悪循環」を引き起こします。筋肉に負担がかかり続けると、筋肉は太く硬い状態になり、血流に含まれる酸素や栄養が筋肉に到達しにくくなります 7。この状態が続くと、筋肉内に「トリガーポイント」と呼ばれるしこりが形成され、さらに痛みが強まるという悪循環が生じます 7。
このトリガーポイントは、押すとズーンと響くような痛みがあったり、押した場所から離れた部位にまで痛みが響いたりする「関連痛」を引き起こすことがあります 12。
慢性腰痛患者では、体幹の硬さの増加、固有受容器の機能低下、腹筋や背筋の活動パターンの変化、姿勢機能異常などが生じていることが報告されています 19。特に、腰痛患者の80%に多裂筋の萎縮があることがMRIで報告されており、多裂筋の機能不全と腰痛には有意な相関があることが示されています 20。これらの筋機能不全は、脊椎の不安定性に対する代償として生じ、腰痛の慢性化を招く要因となります。
【表2:日常生活動作と腰痛リスク】
日常動作 | 影響を受ける筋肉 | 腰痛メカニズム |
デスクワーク(長時間座位) | 腸腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋、腰部多裂筋 | 筋肉の短縮・過緊張、血流低下、筋膜の微細炎症、骨盤後傾、腰椎への負担増大。特に立ち上がり時に痛みを誘発 4。 |
立ち仕事 | 腸肋筋、腰方形筋、腸腰筋、大臀筋、中臀筋 | 慢性的な過労、片側重心による筋バランスの乱れ、筋力低下、腰椎・椎間板への過剰な圧力 2。 |
育児 | 腰方形筋、大臀筋、脊柱起立筋(腸肋筋群) | 中腰・前かがみ・片側重心の繰り返しによる筋力低下、硬直。腹部の冷えも影響 16。 |
家事 | 腰方形筋、腸肋筋、多裂筋、最長筋 | 重い物の持ち上げ、腰を曲げた作業、偏った動作によるトリガーポイント形成、筋力低下 7。 |
3. 最新研究が示す腰痛改善の道:理学療法士が解説するエビデンス
腰痛のメカニズムが複雑である一方で、その改善には科学的な根拠に基づいたアプローチが有効であることが、多くの研究で示されています。特に、運動療法は慢性腰痛に対する保存的治療として強く推奨されています。
3.1 慢性腰痛に対する運動療法の科学的根拠
慢性腰痛患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)では、運動療法が腰椎の可動域や機能障害の改善に効果があり、疼痛、運動機能、健康状態、筋力、持久力も改善したことが報告されています 21。生活の質(QOL)に関しても、運動療法が改善に効果をもたらすことが示されています 21。メタアナリシスにおいても、慢性腰痛に対する運動療法は疼痛改善、機能障害、QOL改善に有効であることが確認されています 21。
さらに、過去に腰痛を発症したことのある集団において、運動と教育を組み合わせた介入が、将来の腰痛エピソードのリスクを減少させるのに有効であることがシステマティックレビューで示されています 22。運動単独でも短期的には将来の腰痛の強度を予防できるという中程度の質の根拠があります 22。教育と運動の併用は、将来の障害を軽減するのに有効であると報告されており、腰痛の再発予防や慢性化の防止において、運動が重要な役割を果たすことが示唆されています 22。
これらの研究結果は、運動療法が単に痛みを和らげるだけでなく、身体機能の改善や生活の質の向上、さらには腰痛の再発予防にも寄与する、非常に有効な手段であることを裏付けています。
3.2 筋機能不全と体幹安定性の重要性
慢性腰痛の背景には、体幹の深層筋の機能不全が深く関わっていることが多くの研究で指摘されています。体幹の動的安定性を保つためには、運動の方向や外的な荷重に対処する表層筋と、個々の脊椎間の安定性に関与する深層筋が、適切なタイミングおよび適切な活動量で機能する必要があります 20。
特に注目されるのが「腹横筋」です。腹横筋は腹筋の中でも最も深層に位置し、お腹をへこませたり、腹圧を高めたりする働きがある筋肉で、「天然のコルセット」とも呼ばれています 23。Hodges & Richardson (1996)による研究では、腰痛患者において腹横筋の活動が遅延していることが示され、腰椎の安定化における腹横筋の機能不全が腰痛と関連していることが明らかになりました 24。これは、体が動く前に脊椎をサポートする準備的な筋活動が、腰痛患者では著しく低下しているか、あるいは存在しないことを意味します 25。
また、多裂筋のような深層筋の萎縮も腰痛と強く関連していることが報告されています 20。さらに、横隔膜機能の低下に伴う呼吸運動の変化も慢性腰痛に関連していることが示されており、腰痛患者では健常者と比較して横隔膜の筋厚変化率が低下していることが明らかになっています 26。これらの深層筋や呼吸筋の機能不全は、体幹の安定性を損ない、腰痛を悪化させる要因となります。したがって、腰痛改善には、これらの深層筋を活性化し、体幹の安定性を高めるアプローチが不可欠であると言えるでしょう。
4. 今日から始める!自宅でできる効果的な腰痛改善エクササイズ3選
ここからは、前述の腸肋筋や腰方形筋、そして体幹の安定性に関わる深層筋にアプローチし、腰痛の改善に効果が期待できるエクササイズを3つご紹介します。これらのエクササイズは、自宅で手軽に実践でき、最新の研究に基づいた効果の高いものを選定しています。
4.1 キャット&カウ(猫と牛のポーズ):背骨の柔軟性を取り戻し、自律神経を整える

「キャット&カウ」は、背骨の柔軟性を高め、腰痛の改善、姿勢の改善、自律神経のバランスを整える効果が期待できるヨガの代表的なポーズです 27。背骨を丸めたり反らしたりする動きを通じて、脊柱の動きを滑らかにし、周囲の筋肉をほぐします。
目的と効果:
- 背骨全体の柔軟性向上 27。
- 腰痛の改善、特に反り腰の改善 27。
- 体幹のコントロール力アップ 27。
- 自律神経のバランス調整、リラックス効果 27。
- 内臓機能の活性化 30。
正しいやり方:
- スタートの姿勢: 肩の真下に手首がくるように両手をつき、膝は骨盤幅に開いてお尻の真下へ置きます。つま先は寝かせても立てても構いません。頭の先からお尻の先まで一直線になるよう、背中を真っすぐに保ちます 29。
- 牛のポーズ(吸う息): 息を吸いながら、お尻の先端を斜め上に向けるように骨盤を前傾させ、背中をゆっくりと反らせていきます。目線も斜め上へ向けますが、顎を上げ過ぎて首を痛めないよう軽く引いておきましょう。腰を強く反らすのではなく、肩甲骨を寄せ合って胸を反らせることを意識します 27。
- 猫のポーズ(吐く息): 息を吐きながら、両手で強く床を押し、背中を高く持ち上げるように丸めていきます。頭の先とお尻の先を真下に向けて、目線はおへそに向けます 29。骨盤を後傾させる動きを意識しましょう 30。
- 繰り返し: 呼吸と背骨の動きを丁寧に合わせながら、ゆっくりと繰り返します。動き始めは骨盤から動かすように意識すると、背骨全体に動きが伝わりやすくなります 30。
よくある間違いと注意点:
- 骨盤が後ろに移動する: 手でマットを押す力が弱まり、背骨の丸みが十分に作れません 27。
- 肩に力が入る: 首を痛める原因になります。目線を上げることよりも胸を反らすことに集中しましょう 27。
- 腰を反りすぎる: 腰を痛める原因になります。腰ではなく胸椎を反らす意識が重要です 27。
- 無理のない範囲で: 思いっきりやるのではなく、無理のない範囲で動かすことで、リラックス効果や腰痛予防効果が高まります 29。
4.2 サイドベンド:腰方形筋を効果的にストレッチし、体幹の側屈能力を高める

「サイドベンド」は、腰方形筋を効果的にストレッチし、体幹の側屈能力を高めるエクササイズです 8。腰方形筋は体幹の側屈や骨盤を引き上げる動作時に収縮するため、このストレッチは筋肉の柔軟性を取り戻すのに役立ちます。研究では、サイドベンドが腰方形筋の筋厚変化率を大きくすることが示されています 13。
目的と効果:
- 腰方形筋の柔軟性向上とストレッチ 8。
- 体幹の側屈能力の改善 6。
- 脇腹(腹斜筋)の活性化 8。
正しいやり方:
注意点:
4.3 ドローイン:天然のコルセット「腹横筋」を活性化し、腰椎を安定させる

「ドローイン」は、腹筋の中でも最も深層にある腹横筋を効果的に鍛えることで、腰痛の予防や改善に役立つ腹部引き込み運動です 23。腹横筋は「天然のコルセット」と呼ばれ、腹圧を高めて脊椎の安定化に重要な役割を果たします 23。Hodges & Richardson (1996)の研究は、腰痛患者における腹横筋の機能不全が腰椎の不安定性に関連することを示しており、ドローインのような安定化エクササイズが有効であるとされています 24。
目的と効果:
- 腹横筋の選択的活性化と強化 23。
- 腰椎の安定性向上 23。
- 慢性腰痛の予防と改善 32。
正しいやり方(仰向けの場合):
- スタートの姿勢: 仰向けに寝て、両膝を立てます。下腹部に両手を軽く当てておくと、お腹の動きを感じやすくなります 23。
- 息を吸う: 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を大きく膨らませます(腹式呼吸) 23。
- 息を吐きながらへこませる: 口からゆっくりと息を吐き出しながら、お腹をへこませるように腹筋に力を入れ、おへそを背骨に近づけるイメージで腹部を最大限に引き込みます 23。この時、背中や腰が床から離れないように注意しましょう 23。
- キープと呼吸: お腹をへこませた状態をキープしつつ、浅い腹式呼吸を30秒程度繰り返します 23。
- 繰り返し: 手順2〜4を3セット程度繰り返します 23。
注意点:
- 息を止めない: お腹をへこませた状態でも、息を止めずに浅い呼吸を繰り返すことが重要です 23。
- ゆっくりとした動き: 腹横筋に刺激を入れるには、負荷をかけすぎず、ゆっくりとした動きで行うことが大切です 34。
- 姿勢を正す: 姿勢が崩れていると腹筋にうまく力が入らないため、正しい姿勢を意識して行いましょう 23。
- 食後は避ける: 食後はお腹が膨らんでおり、へこませる動作が難しいため、避けるのが賢明です 23。
【表3:自宅でできる腰痛改善エクササイズ】
エクササイズ名 | 主な効果 | 実践のポイント |
キャット&カウ | 背骨の柔軟性向上、腰痛改善、自律神経調整、体幹コントロール力アップ | 呼吸と背骨の動きを連動させる。腰だけでなく胸椎の動きを意識。無理なくゆっくり行う 27。 |
サイドベンド | 腰方形筋ストレッチ、体幹側屈能力向上、腹斜筋活性化 | 下半身を固定し、骨盤を動かさない。脇腹を意識し、ゆっくりと真横に倒す 8。 |
ドローイン | 腹横筋強化、腰椎安定化、腹圧向上 | 息を吐きながらお腹をへこませ、その状態をキープして浅い呼吸を繰り返す。背中が反らないように注意 23。 |
おわりに:腰痛と上手に付き合い、快適な毎日を送るために
働き盛りの皆様にとって、腰痛は日常生活の質を大きく低下させる要因となり得ます。しかし、今回の記事でご紹介したように、腸肋筋や腰方形筋といった特定の筋肉が痛みの原因となっていることが多く、そのメカニズムを理解し、適切な対策を講じることで、腰痛は十分に改善し、管理できるものです。
運動療法が慢性腰痛に対して科学的に有効であることが示されており、ご自宅でできる「キャット&カウ」「サイドベンド」「ドローイン」といったエクササイズは、背骨の柔軟性を取り戻し、体幹の安定性を高め、腰痛の根本的な改善に寄与します。これらのエクササイズは、短期間で劇的な効果を約束するものではありませんが、継続することで、筋肉の状態が改善され、痛みの悪循環を断ち切り、腰痛の再発予防にもつながります。
また、エクササイズだけでなく、日々の生活習慣を見直すことも非常に重要です。長時間同じ姿勢を避け、こまめに休憩を取り、正しい姿勢を意識するだけでも、腰への負担は大きく軽減されます 35。重い物を持ち上げる際は、膝を曲げて腰ではなく足の力を使う、椅子に深く腰掛け背筋を伸ばすといった小さな心がけが、腰を守ることに繋がります 35。
もし、痛みが続く場合や、日常生活に支障をきたすほどの症状がある場合は、我々理学療法士や整形外科医などの専門家にご相談ください。専門家は、個々の状態に合わせたより詳細な評価と、適切な治療計画を提供することができます。
腰痛は、決して諦める必要のあるものではありません。今日からできる小さな一歩を踏み出し、腰痛と上手に付き合いながら、活動的で充実した毎日を取り戻しましょう。
引用文献
- funda-reha.com, 6月 23, 2025にアクセス、 https://funda-reha.com/iliocostales/#:~:text=%E8%85%B8%E8%82%8B%E7%AD%8B%E3%81%AF%E3%80%81%E4%BD%93,%E5%B1%88%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
- 腸肋筋とは? 痛める原因と対処方法、ストレッチなどを紹介, 6月 23, 2025にアクセス、 https://refle-tbc.com/massage/muscle/iliocostalis/
- 頸腸肋筋とは?人体解剖学の勉強法 場所・位置や英語などを人体解剖図で解説 – teamLabBody, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.teamlabbody.com/news/archives/1578
- 腰痛、筋肉別痛みのパターン 動作で原因筋を見極め、MPSに対するトリガーポイント鍼でアプローチする | 横浜の鍼灸(はりきゅう)施術専門院, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.feel-tp.com/blog/detail.php?bid=483
- 腰方形筋は身体の安定装置 – ピラティススタジオ TRY, 6月 23, 2025にアクセス、 http://www.pilatesstudio-try.jp/blog-post/376594
- 腰方形筋の重要性, 6月 23, 2025にアクセス、 https://yamada-seikotsu.com/blog/ouhoukeikin
- 腰方形筋が原因の腰痛 | 京都平川接骨院/鍼灸治療院グループ, 6月 23, 2025にアクセス、 https://hirakawa-g.jp/8744/
- 腰方形筋の痛みと原因|姿勢別ストレッチを紹介 | 科学的介護ソフト「Rehab Cloud」, 6月 23, 2025にアクセス、 https://rehab.cloud/mag/3362/
- 腰方形筋も腰痛の原因筋の一つ!なりやすい人やストレッチ法を解説, 6月 23, 2025にアクセス、 https://yotsu-doctor.zenplace.co.jp/media/cause_list/5699/
- 腰痛の原因と施術法 – はなみずき鍼灸整骨院 大田区石川台・雪谷の鍼灸整体治療院, 6月 23, 2025にアクセス、 https://hanamizuki-yukigaya.jp/youtsuu
- 腰方形筋が原因の腰痛|症状別, 6月 23, 2025にアクセス、 https://osaka-hirakawa.jp/symptom/waist/cause-quadratus_lumborum/
- 名東区での腰方形筋のトリガーポイント鍼治療を徹底解説!, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.triggerpoint.nagoya/archives/9603
- 有効な腰方形筋エクササイズの検討 – CiNii Research, 6月 23, 2025にアクセス、 https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205576613504
- 長時間座った後に立ち上がるときの腰痛:科学が解き明かす6つの原因とそのメカニズム, 6月 23, 2025にアクセス、 https://mbp-japan.com/oita/genryu/column/5191490/
- 腸腰筋の弱化と腰痛の関係 | 滋賀県彦根市の肩こり – りーる整骨院, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.hikoneseitai.com/symptoms/post-6821/
- 腰痛緩和ストレッチと予防法|がんばるあなたに。疲れの情報局 – アリナミン, 6月 23, 2025にアクセス、 https://alinamin.jp/tired/stretch-lumbago.html
- 40代~50代女性の腰痛の原因とは?原因となる病気について! | 腰痛メディア|zen placeが発信する痛みの情報サイト, 6月 23, 2025にアクセス、 https://yotsu-doctor.zenplace.co.jp/media/cause_list/706/
- 腰痛予防改善セルフケア – 大平台げんき整体, 6月 23, 2025にアクセス、 https://yosi-hata.com/symptoms/post-3845/
- 慢性腰痛の有無による歩行時の体幹筋活動パターン:システマティックレビュー, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.jspt.or.jp/eibun/2015/1506_2.html
- 慢性腰痛症患者における多裂筋と脊柱起立筋の筋活動量と収縮反応時間 – CiNii Research, 6月 23, 2025にアクセス、 https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282680550354048
- 腰痛に関するリハビリテーションRehabilitation, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.jslsd.jp/medical/rehabilitation/
- 腰痛、その予防と積極的治療法の概要 – Physiotutors, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.physiotutors.com/ja/low-back-pain-an-overview-of-prevention-and-active-treatment-options/
- ドローイングのメリットとは?鍛えられる部位や正しいやり方を解説! – JOYFIT, 6月 23, 2025にアクセス、 https://joyfit.jp/akajoy/health_knowledge/post46/
- Inefficient muscular stabilization of the lumbar spine associated with low back pain – A motor control evaluation of transversus abdominis – UQ eSpace, 6月 23, 2025にアクセス、 https://espace.library.uq.edu.au/view/UQ:249773
- Lower Back Pain and The Involvement of the Transverse Abdominals – Bangalow Physiotherapy, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.bangalowphysiotherapy.com/lower-back-pain-involvement-transverse-abdominals/
- 2021 年度 修士学位論文 – 立命館大学, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.ritsumei.ac.jp/~isaka/ronbun/iwakura.pdf
- 8割の人が間違えている!?理学療法士が教える「キャットアンドカウ」の正しい方法, 6月 23, 2025にアクセス、 https://yogajournal.jp/13057
- 実は実に奥が深いキャットアンドカウのポーズ | ヨガセラピー専門情報サイト, 6月 23, 2025にアクセス、 https://yogatherapy.co.jp/column/yogahint/catandcow.html
- 猫のポーズからのバリエーション!身体の使い方とポイントを解説 – ヨガジェネレーション, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.yoga-gene.com/post-21393/
- 猫のポーズ(キャットアンドカウ)の効果とは? 正しいやり方とコツ・注意点を解説 – カルド, 6月 23, 2025にアクセス、 https://www.hotyoga-caldo.com/home/pose002/
- サイドベントの正しいやり方は?効果や注意点も合わせて解説! | セラピストプラス | 医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報 – マイナビコメディカル, 6月 23, 2025にアクセス、 https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/lifestyle/beauty/20418/
- ドローインが腰痛症患者にもたらす効果 Effect of Draw-in brings among lumbago patients 1K07A116-0 – tokorozawa, 6月 23, 2025にアクセス、 https://tokorozawa.w.waseda.jp/kg/doc/20//sotsuron2010/1K07A116.pdf
- 体幹トレーニング基本の4メニュー!簡単にできる筋肉の鍛え方 – オールアバウト, 6月 23, 2025にアクセス、 https://allabout.co.jp/gm/gc/460130/
- 腹横筋の知識を深めよう!おもな作用やトレーニング方法をご紹介 | セラピストプラス | 医療介護・リハビリ・療法士のお役立ち情報 – マイナビコメディカル, 6月 23, 2025にアクセス、 https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/lifestyle/beauty/21963/
- 【50代必見】今すぐできる!腰痛予防ストレッチ(下半身編)ー北九州市小倉北区版, 6月 23, 2025にアクセス、 https://shimoitouzu-seikotsu.com/youtsu/50dai-youtuu-stretch
- 50代女性必見!腰痛の原因と対策を徹底解説 | 倉敷市藤戸町 天城整骨院, 6月 23, 2025にアクセス、 https://amaki-s.com/20240823-4/
コメント