家でもできる簡単運動 「親指アップエクササイズ」
本職のクリニックの周りの整形が、リハビリ室をたたんでしまい、我がクリニックに人が押し寄せていました。
久々の更新でございます。
整形外科でも肩関節の痛みで悩んでいる主婦の方が数多く来院されますので、その方達に、お伝えしている運動を一つ紹介します。
「最近、洗濯物を干すときに肩がピキッと痛む…」
「エプロンの紐を後ろで結ぶのがツラくなってきた」
「夜、肩を下にして寝ると痛くて目が覚めてしまう…」

30代後半から50代にかけて、多くの方が直面する「肩の痛み」。 マッサージに行ってもその場しのぎで、気づけば何ヶ月も痛みを引きずっていませんか?
今回は、痛みを取り除く専門家である理学療法士の私が、添付のイラストの運動をもとに、肩の痛みを根本から解消するための「親指アップエクササイズ」をわかりやすく解説します!

この記事を最後まで読めば、痛みの原因がスッキリわかり、もう一度「痛みのない快適な毎日」を取り戻す第一歩が踏み出せますよ。
1. なぜ私の肩は痛むの?原因は「2つの筋肉」のバランス崩れ
肩をスムーズに動かすためには、タイプの違う2つの筋肉がチームワークよく働く必要があります。
- アウターマッスル(三角筋:さんかくきん) 肩の表面を覆う、大きな力を出す筋肉。腕を力強く持ち上げるときに使います。
- インナーマッスル(棘上筋:きょくじょうきん) 肩の奥深くにある、関節を正しい位置に「引き寄せて支える」筋肉。

肩が痛む方の多くは、奥にあるインナーマッスル(棘上筋)がサボってしまい、外側のアウターマッスル(三角筋)ばかりが頑張りすぎている状態になっています。 支えがないまま腕をグッと上げるため、肩の関節の中で骨同士が衝突し(インピンジメント)、痛みが起きてしまうのです。
今回ご紹介する運動は、このサボっている「インナーマッスル(棘上筋)」をピンポイントで目覚めさせるためのものです。
2. 角度が命!腕を上げる「角度」で働く筋肉が変わる?
イラストを見てみましょう。この運動の一番のポイントは「腕を高く上げすぎないこと」です。

実を言うと、腕を上げる角度によって、働く筋肉の主役がバトンタッチします。
- 【スタート 〜 30度・45度まで】(★ここが重要!) 動き始めのこの低い角度こそ、まさにインナーマッスル(棘上筋)が最も集中して働くゾーンです。関節を痛めず、安全にインナーマッスルだけを鍛えることができます。
- 【60度 〜 90度以上】 この高さまで上がると、外側の大ぶりな筋肉である三角筋(アウターマッスル)が主役に躍り出ます。肩が痛いときにここまで上げてしまうと、かえって痛みを悪化させることがあります。
だからこそ、今回は「下から30度〜45度程度」の低い位置でピタッと止めることが、痛みを消し去るための最大の秘訣なのです。
3. 【画像で実践】親指アップ肩上げエクササイズの正しいやり方

イラストの通り、とてもシンプルな動きですが、効果を最大にするためのポイントが詰まっています。
① スタート姿勢(左の図)
- 背すじをスッと伸ばして立ち、肩の力を抜きます。
- 手のひらを内側(太もも側)に向けます。
② 腕をあげる(右の図)
- 親指を天井に向けるように(グーの形、またはサムズアップ)しながら、腕をゆっくり外側に開いていきます。
- このとき、真横ではなく、ほんの少し(30度くらい)斜め前に向かって上げるのがポイントです(肩甲骨が動きやすい自然な角度です)。
- 角度は30度〜45度程度(イラストよりもやや低め、痛みのない範囲)でストップします。
③ ゆっくり下ろす
- 上げたときと同じスピードで、ゆっくりと元の位置に下ろします。
【回数の目安】 まずは10回を1セットとして、1日2〜3回(テレビを見ながら、仕事の合間など)行ってみてください。
💡 理学療法士からのワンポイント・アドバイス
「なぜ親指を上にするの?」 親指を上(外側)に向けることで、肩の骨がコロンと回転し、関節の中に「通り道」ができます。これにより、骨と骨がぶつかるのを防ぎ、痛みのない安全な状態でインナーマッスルを動かすことができるのです。
4. この運動を続けたあなたに訪れる「最高の未来」
いま、肩の痛みのせいで、無意識のうちに毎日の行動を制限していませんか? この「親指アップエクササイズ」をコツコツ続けることで、あなたの日常はこんな風に変わっていきます。
- 朝の支度や家事が劇的にスムーズに! 高い棚の調味料を取るときも、重い洗濯物を物干し竿にかけるときも、あの「ピキッ」とする嫌な痛みに怯える必要がなくなります。
- ファッションの自由を取り戻せる! 後ろファスナーのワンピースを着たり、エプロンの紐を結んだり、タイトなコートに腕を通す動作が驚くほど滑らかになります。
- 夜、ぐっすり眠れて朝スッキリ! 「寝返りを打つと痛い」というストレスから解放され、朝まで熟睡できるようになります。睡眠の質が上がることで、お肌の調子や日中の元気もアップしますよ。
- 趣味や旅行を100%楽しめる! ヨガやピラティス、テニスやゴルフ、あるいは旅行カバンを持ち上げる瞬間など、「肩が痛いからやめておこう…」と諦めていたことに、もう一度笑顔でチャレンジできるようになります!
5. おわりに
肩の痛みは、「頑張りすぎているアウターマッスル」と「サボっているインナーマッスル」からの、『バランスを直して!』というサインです。
激しい筋トレや、痛みを我慢して無理に大きく動かす必要はありません。まずは1日1回、低い角度で「親指を上にしてじわっと動かす」ことから始めてみてください。
あなたの肩本来の、軽やかでスムーズな動きを取り戻し、痛みのないストレスフリーな毎日を一緒に手に入れましょう!
※運動中に強い痛みを感じる場合や、痛みがだんだん強くなる場合は、無理をせず専門の医療機関(整形外科や理学療法士)にご相談ください。
今回の運動の詳細をまとめたPDFを添付します。ぜひご利用ください。

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