肩の痛みで「動かしたくない」「動かしたら悪化しそう」と感じていませんか?
特に痛みが強い急性期や、運動に慣れていない初心者の方にとって、どんな運動をすれば良いのかは大きな悩みです。
そこで今回ご紹介したいのが、肩の痛みがある初期段階から安全に取り組める「振り子運動」です。
この運動は、肩にほとんど負担をかけずに自然な動きを促すため、リハビリの第一歩として世界中で推奨されています。
目次
なぜ痛い時期でも「振り子運動」がおすすめなの?
振り子運動が、運動初心者や痛みが強い時期でも有効的なのは、「重力」を利用して筋肉の力を使わずに腕を動かせるからです。
運動のメリット
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 痛みの軽減 | 腕の重さ(または軽いおもり)と重力だけを使い、肩の筋肉をリラックスさせた状態で動かすため、炎症を起こしている部位への摩擦や負担が最小限に抑えられます。 |
| 関節液の循環促進 | 関節を優しく動かすことで、関節の栄養となる関節液の循環が促され、治癒力を高める効果が期待できます。 |
| 柔軟性の維持 | 痛いからと完全に動かさないでいると、関節が固まってしまいます。この運動は、固まり始めるのを防ぎ、今後のリハビリに必要な柔軟性を維持するのに役立ちます。 |
【実践編】「振り子運動」のやり方

運動は、焦らず、痛みが出ない範囲でゆっくり行うことが大切です。
準備
- 姿勢を作る: テーブルや椅子の背もたれなど、しっかりと安定した台を用意します。
- 体を支える: 痛くない方の手で台を支え、上半身を前屈みにします。腕がだらんと垂れ下がる姿勢が理想です。
- リラックス: 痛む方の肩や腕から完全に力を抜き、脱力します。これが最も重要です。
運動手順
- 円を描く(基本): 垂らした腕を、肩の力を抜いたまま、円を描くようにゆっくりと動かします。腕を振るのではなく、「体が揺れることで腕が振られる」イメージです。
- 回数: まずは小さくゆっくりと、時計回りに10回、反時計回りに10回を目標に繰り返しましょう。
- 徐々に負荷をかける(ステップアップ): 痛みが引いてきたら、ペットボトルや軽いダンベル(500g~1kg程度)などのおもりを持って同じ運動を行います。おもりの重みで肩関節が優しく牽引(引っ張られる)され、より効果的に可動域の改善が図れます。
重要なポイント
- 絶対に無理をしない: 痛みが増す場合は、すぐに運動を中止するか、円をさらに小さくしてください。
- 反動を使わない: 勢いをつけず、あくまでもゆっくりと、リラックスした状態で行います。
続けることで得られるベネフィット
振り子運動をリハビリの初期段階から継続することで、以下のような長期的な恩恵が得られます。
- 本格リハビリへの準備 肩関節の炎症が治まり、痛みが軽減したとき、関節が固まってしまっていると次のリハビリへの移行がスムーズにできません。この運動を続けることで、固まるのを防ぎ、次のステップ(積極的なストレッチや筋力トレーニング)へスムーズに進むための土台を築くことができます。
- 日常生活動作(ADL)の改善 初期の柔軟性を保つことは、やがて腕を上げる、服を着替えるといった基本的な動作を楽に行えるようになるための第一歩です。
- 痛みの慢性化予防 肩の痛みを長引かせないためには、適切なタイミングで適切な運動を行うことが重要です。低負荷で始めるこの運動は、痛みで運動から遠ざかることを防ぎ、回復へのサイクルに乗せる役割を果たします。
焦らず、毎日少しずつで構いません。ご自身のペースで「振り子運動」を続けて、肩の回復を目指しましょう!
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